神戸市の「神戸国際フロンティアメディカルセンター」で生体肝移植手術を受けた4人が死亡した問題で、センターで移植手術に関わる常勤医は5人のみで、外部の医師の協力が必要な状況だったことが14日、センターへの取材で分かった。
大学病院に所属する移植の専門家によると、臓器移植では合併症対策など術後の管理が重要となる。計20人近い医師が関わることも多いといい、この専門家は「他の病院が断るような難しい症例であれば、一層の人員や態勢が必要だ」と指摘する。
副院長によると、センターで移植に関わっているのは田中紘一院長(73)ら専門医3人と外科医2人。麻酔科医も1人いるが、全ての手術には関わらず、実質的な常勤医は5人だった。生体肝移植は、外部の医師も含めて6~10人で行ったという。
田中院長は14日、「他の病院で断られた患者も受け入れていた。(死亡率の高さは)全て私の責任だが手術の難しさやリスクは事前に説明し、理解をいただいていた」と述べ、今後も移植手術を実施する意向を示した。
〔共同〕