安倍晋三首相は17日午後、首相官邸で沖縄県の翁長雄志知事と会談し、米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古沿岸への移設について「唯一の解決策だ。丁寧に説明し、理解を得るべく努力を続けたい」と述べた。翁長氏は、過去に沖縄が辺野古移設を「受け入れたとの認識は間違いだ。昨年の知事選、衆院選で反対の圧倒的な民意が示された」と反論した。
会談を前に翁長沖縄県知事(左)と握手する安倍首相(17日午後、首相官邸)
会談は約35分間。昨年12月に翁長氏が知事に就任して以来初めて。会談には菅義偉官房長官と沖縄県の安慶田光男副知事が同席した。
首相は在日米軍基地が沖縄県に集中していることに関し「戦後70年、沖縄には多くの負担をかけており、少しでも軽減したい」と強調。「1日も早く普天間の危険を除去したいというのは政府も沖縄も思いは同じだ」と述べ、辺野古移設に理解を求めた。
翁長氏は普天間基地に関して「土地を奪っておきながら、老朽化したとか、世界一危険だからとか、(辺野古移設が)嫌なら代替案を出せというのはこんな理不尽なことはない」と訴えた。「辺野古移設が唯一の解決策だという固定観念に縛られることなく作業を中止して欲しい」と求めた。28日に日米首脳会談を開くことに触れ、「オバマ米大統領に、沖縄は辺野古移設に反対だと伝えてほしい」と述べた。
翁長氏は会談後、記者団に「議論は交わることはなかった。平行線だ」と語った。