【NQNニューヨーク=古江敦子】29日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の6月物は前日比1.52ドル高の1バレル58.58ドルで終えた。一時59.33ドルと節目の60ドルに近づき、期近物として2014年12月12日以来ほぼ4カ月半ぶりの高値を付けた。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間の米石油在庫統計で、原油在庫が市場の予想ほど増えなかった。在庫増に歯止めの兆しが出てきたとの見方から買いが膨らんだ。
WTI現物の受け渡し地点であるオクラホマ州クッシングの在庫が前週から減ったことも、先物の買い安心感につながった。
ガソリンは反発。ヒーティングオイルは3営業日ぶりに反発した。
一方、金先物相場は3営業日ぶりに反落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で、取引の中心である6月物は前日比3.9ドル安の1トロイオンス1210.0ドルで終えた。週初からやや急な相場上昇が続いた後とあって、目先の利益を確定する目的の売りが出た。
6月物は午後の時間外取引で下げ幅を広げた。 米連邦準備理事会(FRB)がこの日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で、冬場の米景気回復の鈍化は「一時的」と指摘した。FRBは米景気の回復基調は途切れておらず、先行きの政策金利の引き上げを念頭に政策運営を続けるとの見方が意識された。金市場への余剰資金の流入がいずれ細るとの観測から、金に売りを促した。
銀は上昇し、プラチナは3日続伸した。