原子力発電専業である日本原子力発電の浜田康男社長は21日、停止中の敦賀原発2号機(福井県)の再稼働に向けた安全審査について「夏から秋に申請したい」と述べた。同機は原子力規制委員会の有識者調査団が「直下に活断層がある」とする評価書をまとめている。再稼働の可否を審査するのは安全審査の場だが、議論は難航しそうだ。
都内で開いた2015年3月期決算の記者会見で明らかにした。連結決算は最終損益が30億円の赤字(前の期は16億円の黒字)だった。赤字は2期ぶり。原発停止に伴い核燃料の購入契約を一部解除したことで43億円の特別損失を計上した。売上高は電力の販売契約を結ぶ大手電力から受け取る「基本料」などで1328億円を確保した。
日本原電は東日本大震災前に3基の原発を運転していた。東海第2原発(茨城県)は再稼働に向けた安全審査に入ったが、敦賀1号機(福井県)は今年3月に廃炉を決めた。同月には他社の廃炉支援など5項目の経営改革プランも示したが、原発が動かない限り経営の先行きは見通せない。