【釜山=共同】2001年にJR新大久保駅でホームから落ちた男性を救おうとして死亡した韓国人留学生、李秀賢さん(当時26)の父で、日韓交流に関わる李盛大さん(75)に旭日双光章が贈られ、韓国南部の釜山で16日、授与式が行われた。
盛大さんは「日韓をつなぐことに力を尽くしたい」と生前話していた秀賢さんの遺志を継ごうと、見舞金や弔慰金を基に事故の翌年、秀賢さんのイニシャルをとった「エルエスエイチアジア奨学会」を設立。これまで日本で学ぶ18カ国・地域の計689人の留学生に奨学金を送り、支援してきた。
松井貞夫駐釜山総領事から勲章を胸に着けられた盛大さんは「秀賢の行為に多くの日本の人が感動を受け送ってくれたお金で奨学会ができた。この勲章は本当はそうした日本の方々のものだと思っている」と話した。
22日に国交正常化から50年を迎えるのを前に、日韓関係の冷え込みについて、盛大さんは「人間同士でもけんかしたり仲良くなったりの繰り返しだ。韓日は手をつなぎ譲歩し合い、先へ進んでいくしかない」と述べた。