【サンパウロ＝宮本英威】キューバ外務省は１日、米国との国交回復合意を受けて、ラウル・カストロ国家評議会議長がオバマ米大統領にあてた親書を公開した。カストロ氏は「両国の政府と人々が、お互いに尊重して協力関係を深めていく」と期待した。

米国とキューバは１日、今月20日に双方の大使館を再開することで合意した。キューバ革命後の1961年から断絶していた国交が54年ぶりに回復する。カストロ議長は親書で、両国の関係を再び深めていくうえで、国家の主権や独立を尊重するよう求めた。その一方で基本的人権にも配慮していく考えを示した。

キューバ外務省は別途公表した声明文で「今後も敬意を持って米国政府と対話を続ける」と、関係改善への意思を示した。同時に経済制裁の解除やグアンタナモ米軍基地の返還を求めた。国交回復は「正常化に向けた長く、複雑な道のりの一歩にすぎない」と指摘した。外務省によると、20日にはロドリゲス外相がワシントンを訪れ、大使館開設の式典を開く。

オバマ政権は１日、米議会に対し大使館再開の方針を伝えた。大使館の再開については、少なくとも15日前に議会に通告しなければならない。