うその投資話で顧客から2億円以上をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた元みずほ銀行幹部行員、及川幹雄被告(52)=懲戒解雇=の判決公判が25日、東京地裁であった。安藤範樹裁判官は「銀行幹部の地位や信用を巧みに利用した悪質な犯行で強い非難は免れない」として、懲役7年(求刑懲役8年)の実刑を言い渡した。弁護側は判決を不服として控訴する方針。
及川被告は起訴内容を認め、弁護側は「多重債務の発覚を防ぐためで利得目的ではなかった」と執行猶予を求めていたが、安藤裁判官は「身の丈を超える生活のために借金を重ねたにすぎず、動機に酌むべき点はない」として退けた。
判決によると、及川被告は2011年5月~12年6月、みずほ銀行本店の応接室などで東京都内の男性医師に「投資すれば月3%の配当金を払い、元本も返還する」などと架空の投資話を持ちかけ、8回にわたって計2億1500万円をだまし取った。