東京都豊島区立小学校に勤務していた元音楽教員、岸田静枝さん(65)が、卒業式で君が代のピアノ伴奏を拒否し、都教育委員会から減給処分を受けたことを不服として起こした訴訟の判決で、東京地裁は9日までに、「減給は重過ぎる」として処分を取り消した。
判決によると、岸田さんは2010年3月、豊島区立小で校長の君が代伴奏命令を拒否し、停職1カ月の懲戒処分を受けた。不服として都人事委員会に審査請求を申し立て、減給10分の1(1カ月)に修正された。
清水響裁判長は、同様のケースに関する最高裁判例に基づき「減給処分は裁量を逸脱している」と指摘。キリスト教を信仰しており、信教の自由が侵害されたとする岸田さんの主張は「信教の自由を制約する面はあるが許される範囲で、憲法違反ではない」と退けた。〔共同〕