京都大病院(京都市左京区)の贈収賄事件で、医療機器の納入で便宜を図った見返りに業者からバッグなどを受け取ったとして、収賄の罪に問われた元准教授、丸井晃被告(47)に、京都地裁(中川綾子裁判長)は21日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。賄賂で受け取ったバッグなどの没収も命じた。
判決理由で中川裁判長は「地位を悪用し、自ら賄賂を持ち掛け、主導的な犯行で悪質」と指摘。一方で「大きく報道され、社会的制裁も受けた」と説明した。
初公判で丸井被告は起訴内容を認め、被告人質問で「業績を挙げたことで周りに注目され、勘違いをした」と述べた。
判決によると、丸井被告は2010年12月から13年9月まで計5回にわたり、研究に必要な機器の納入で便宜を図った見返りにキャリーバッグなど計17点(計約95万円相当)を受け取った。
贈賄罪で略式起訴された医療機器販売会社の元社員(39)は7月、京都簡裁から罰金60万円の略式命令を受け、即日納付した。
判決後、稲垣暢也・京大病院長は「患者や国民の信頼を損ねたことについて深くおわび申し上げ、再発防止に努める」とのコメントを出した。