みずほフィナンシャルグループ(8411)の佐藤康博社長は13日、2015年4~9月期決算発表の記者会見で、持ち合い株の売却について「極力前倒しで実施していく」との姿勢を示した。「株式の保有は価格変動リスクにさらされていることから少なくしていくべきだ」とし、売却に向け交渉を加速させる。「自社の株価を引き上げるにはコーポレート・ガバナンス(企業統治)の要素が大きい」と指摘、持ち合い株売却は「他のメガバンクより踏み込んだと思っている。フロントランナーとなっていく」と強調した。
売却にあたっては取引先の採算や信用リスクなどの比較が資本コストなどを上回っているかどうかで判断する。2018年度までに簿価ベースで保有する国内株式1兆9629億円の4割(約7851億円)を売却する計画で、16年度中に計画分の4~5割の売却を目指す。取引先の理解を得られれば、削減額を積み増す可能性もあるとしている。
15年4~9月期の連結純利益は前年同期比8%増の3841億円と16年3月期の計画に対する進捗率は60%になった。英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の米国事業部門の債権買い取りや人員受け入れで、海外の社債発行やM&A(合併・買収)など非金利部門の収益が伸び、全体をけん引した。銀行部門と証券部門の連携で国内でも非金利収入が市場部門の苦戦を補った。持ち合い株の売却に伴い、みずほ銀行とみずほ信託銀行を合算した株式等関係損益の黒字幅が3.7倍の996億円に拡大したことも収益を押し上げた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕