ふくおかフィナンシャルグループ(FG)が相続対応を拡充する。故人の遺品整理サービスを全国の地方銀行に先駆けて始めるほか、高齢者の安否を携帯端末を使い見守るサービスでセコムと提携する。高齢化で増えるサービス需要に銀行でワンストップで対応できる体制を整え、相続を切り口としてオーナー層や富裕層の囲い込みを狙う。
いずれも7日に始める。遺品整理は故人の遺品を遺族に代わって片付け・処分するもの。形見分け品や貴重品の確認、不用品の搬出、簡易清掃が付いて料金は1LDKで14万円から。傘下の福岡・熊本・親和銀行が窓口となってキーパーズ(東京・大田)とシーサイド城下町(長崎県島原市)が実務を担う。
見守りサービスは九州の地銀初の取り組みで、専用の端末で緊急時の駆けつけや24時間の看護師による健康相談を提供する。セコムとふくおかFGが提携することで「セコム・ホームセキュリティ」の契約をしなくても利用できるようにした。ふくおかFGの遺品整理や遺言信託などの相続サービスを利用する場合、加入は無料で、月1800円で利用できる。
同社は2013年度からの中期経営計画で相続ビジネスを重点分野の一つに掲げている。13年度に始めた遺言信託は累計1000件、相続の事務代行サービスも1300件の申し込みがあった。遺品整理などを始めることで相続関連の相談に一括で対応できるようにして利便性を高め、収益機会を拡大する。