皇太子さまは23日、56歳の誕生日を迎えられた。これに先だち東宮御所で記者会見し、まもなく発生から5年の東日本大震災について触れ、「厳しい環境の下で暮らす被災者の健康とお幸せを祈りながら、被災地の復興に永く心を寄せていきたい」と述べられた。
昨年10月には福島県の学校などを視察するなど、同妃雅子さまとともに被災地への訪問を続けられている。「いまだ復興の道は半ばであり、一日も早く被災された方々の生活が改善し、安心できる暮らしを取り戻されることを願っております」と話された。
戦後70年の節目だった昨年はご一家で戦争に関する特別企画展などに足を運ばれた。パラオやフィリピンで戦没者を慰霊した天皇、皇后両陛下の姿には「平和を思うお気持ちの深さに改めて感銘を受けるとともに、そのお心を私たち次の世代がしっかり受け継いでいかなければならないということについての心構えを新たに致しました」と力を込められた。
療養中の雅子さまについては昨年のトンガ訪問や12年ぶりの園遊会出席などを挙げ、「少しずつ活動の幅を広げていく中で、依然波はあるものの、体調についても、それに見合う形で少しずつ回復してきている」と説明された。中学2年生となり、公的な場に出ることも増えてきた長女、愛子さまには「様々な経験を積み、自分の望む道をしっかり歩んでいってほしい」と期待された。
また、この1年のうれしい出来事として、日本人2人のノーベル賞受賞や国産初のジェット旅客機の初飛行、ラグビーワールドカップ(W杯)での日本代表の活躍などを挙げられた。