前半、ホンダゴールに迫る成田=忠鉢信一撮影
2011年の東日本大震災から7年となった11日、サッカーのアマチュア最高峰・JFL(日本フットボールリーグ)で、被災地の宮城県女川町を本拠とするサッカークラブ「コバルトーレ女川」がデビューした。浜松・都田で3連覇を目指すホンダに1―2と敗れたが、主将のMF成田は「やっとここまでこられたという思い。粘り強く戦えばJFLでも接戦ができる」と充実した表情で語った。
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女川にとってアウェーの試合に全国各地からサポーターが集まった。山梨県上野原市から来た宮野貴さん(57)は女川町でボランティアを続けていることがきっかけで、サッカーの応援にも来るようになった。「今日は特別な日なので、女川町の人たちはあまり応援に来られない。全国の女川サポーターが集まろうとフェイスブックで呼びかけた」。石川県白山市から来た仲島優さん(36)は「被災地でがんばっているチームがあると聞いて3年前から応援している。被災直後のがんばりと、いつも全力のプレーにひかれた」という。
女川の村田監督は試合前、「女川は被災地のクラブ。どんなに苦しくても、その時間が長くても、チームとして乗り越えよう。そういう姿を1年間続けよう。それが自分たちの未来につながる」と話したという。試合は劣勢となったが0―2とリードされた後半、MF黒田のゴールで1点返した。黒田は「3月11日という特別な日に勝てたら良かったが、パブリックビューイングで見ている女川町や石巻市の人たちに、がんばってボールを追い掛けている姿は見せられたと思う」と胸を張った。(忠鉢信一)