島根県の浜田市選挙管理委員会は11日、今夏の参院選から、車両の中で期日前投票ができる「移動期日前投票所」を設けると発表した。過疎化で廃止される投票所に行っていた有権者の利便性を上げるのが狙い。市選管によると、車両を使った期日前投票所は全国初とみられるという。
市選管によると、今夏の参院選では投票所を統廃合し、78カ所から70カ所にする。車両を派遣するのは、有権者が10~28人と少ないため廃止される8カ所を含む11カ所程度の地域。10人乗りのワゴン車に投票管理者と投票立会人らが乗り込み、有権者は車外で投票用紙を受け取り、1人ずつ乗車して投票する。窓ガラスに目隠しをするなどしてプライバシーを守る。
車両は期日前投票ができる期間中、1地域を1回ずつ巡り、1~2時間の間に投票してもらう。従来通り当日の投票も可能だが、新たな投票所が遠くなり、交通手段の確保が難しい有権者もいるため、期日前投票で配慮するという。
市選管の岩田比呂継事務局長は「投票の機会が奪われないように配慮した」と話している。(礒部修作)