筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者で、日本ALS協会副会長の岡部宏生さん(58)が国会に出席することになった。参院厚生労働委員会は19日の理事懇談会で、障害者総合支援法改正案の参考人質疑を23日午後に開き、岡部さんから意見を聴くことを決めた。
ALS患者の出席実現せず 障害者総合支援法の参考人質疑
岡部さんの国会出席をめぐり、与野党は批判の応酬を繰り広げた。衆院厚労委員会はいったん10日の参考人質疑で意見を聴く方針を決定。岡部さんは会話が困難で通訳を介して言葉を伝えるため、発言内容を事前に文書で議員に配ることなどを与野党間で合意していた。
ただ、衆院厚労委の渡辺博道委員長(自民党)が民進党に対し、参考人質疑と同時に別の法案の審議にも入りたいと打診。これに反発した民進党側は岡部さんの出席を断念し、別の参考人にした経緯がある。
その後、渡辺氏は岡部さんに陳謝。国会での意見陳述を求める岡部さんの意向を参院側に伝え、与野党で日程調整を進めていた。(久永隆一)