国土交通省は8日、高松空港(高松市)の民営化に向けて、運営権を売り出すと正式に発表した。9月から入札を実施して来年8月ごろに売却先を決め、2018年4月からの民営化をめざす。国が管理する空港の運営権売却は、7月から民営化した仙台空港に続いて2例目。
運営権は15年間で、最大40年間の延長が可能。地元の意見を反映させるため、関係自治体(香川県、高松市、綾川町)から①計10%を超えない範囲での出資受け入れ②非常勤取締役と職員1人ずつの受け入れを条件とした。香川県は「25%未満の出資」を求めていたが、経営への介入を懸念する民間側に配慮し、出資比率の上限を抑えた。
高松空港には羽田、成田、那覇に加え、上海や台北などから計7路線が就航する。15年度の旅客数は178万人で、1989年の開港以降で最多だった。ただ、隣接する空港ビルの利益を合わせても営業赤字が続いてきた。民営化後は、着陸料を下げて就航便数を増やしつつ、民間のノウハウを生かして空港ビルを改修するなどし、ビル側で利益を増やせると期待する。
年間310万人超が利用する仙台空港より小規模で、国交省航空局も「環境はきびしい」と認める。政府は全国の空港に民営化を広げる考えで、高松が成功すれば、弾みがつくことになる。