大阪市営地下鉄の民営化に向けた基本方針案が13日、市議会交通水道委員会で大阪維新の会、自民党、公明党などの賛成多数で可決された。共産党は反対した。同日午後の本会議で採決され、成立する見通しだ。
地下鉄民営化をめぐっては、橋下徹前市長が市営事業を廃止する条例案を市議会に2度提出したが、いずれも否決された。その後、民営化の骨格を定める基本方針案と廃止条例案の2段階の議決を経ることになった。
自民は8月、基本方針案に賛成するための12条件を吉村洋文市長に提示。吉村市長が11項目を受け入れ、民営化後の事業計画を詳しく示した「民営化プラン」案も改訂した。これを受け、自民が賛成に転じた。
市は基本方針案が可決されれば、2月議会に廃止条例案を提案する方針。廃止条例案の可決には市議会(定数86)の3分の2(58人)以上の賛成が必要で、民営化に前向きな維新(36人)、公明(19人)だけでは届かない。共産(9人)は民営化に強く反対しており、自民(20人)の対応が焦点となる。
ただし、吉村市長は2月議会に大阪都構想の準備を進める法定協議会の設置条例案も提案する構えで、自民は反発している。廃止条例案の議論は都構想をめぐる対立の影響を受ける可能性がある。(花房吾早子)