政府・沖縄県協議会と普天間飛行場負担軽減推進会議を終え、報道陣の質問に答える沖縄県の翁長雄志知事(中央)=21日午前11時53分、首相官邸、飯塚晋一撮影
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の負担軽減策などについて政府と沖縄県の幹部らが話し合う、政府・沖縄県協議会と普天間飛行場負担軽減推進会議が21日午前、首相官邸で開かれた。翁長雄志(おながたけし)知事と菅義偉官房長官らが出席。菅氏は同県名護市辺野古への移設計画をめぐり、県を相手取って地方自治法に基づく違法確認訴訟を起こす方針を表明した。
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普天間の移設問題では、今年3月、政府が翁長知事を訴えた代執行訴訟が和解し、政府と県がそれぞれ起こしていたほかの訴訟も、いったん取り下げられた。今回の提訴で、移設計画をめぐる政府と県の対立は再び法廷に持ち込まれる。
政府の提訴は、6月中旬に第三者機関「国地方係争処理委員会」が、翁長知事による辺野古埋め立て承認取り消しの撤回を求めた国土交通相の是正指示について、適否を判断しなかったことを受けたもの。
翁長氏は21日の会合で、係争処理委の審査結果について、訴訟を提起しない方針を改めて説明。これを受け、菅氏は22日付で福岡高裁那覇支部に提訴する方針を伝えた。翁長知事が是正指示に従わないのは違法だと訴える。会合後、翁長氏は記者団に「話し合いでなく直ちに提訴になり、非常に残念だ」と述べた。