スズキが3日発表した2016年4~6月期決算は、燃費の不正測定があった日本国内での販売は大きくは落ち込まず、欧州やインドでの好調もあって利益が押し上げられた。売上高は前年同期より2・4%減の7540億円、営業利益は7・2%増の591億円で、第1四半期としては過去最高益だった。
浜松市内で記者会見した国内営業担当の鈴木敏明常務役員は「軽自動車増税と燃費問題が販売減の要因だ」と説明。国内では軽自動車販売が11・9%減の12万1千台と苦戦したが、同様の不正があった軽以外の普通車は8割増の2万7千台だった。昨夏以降に新型車の投入が相次ぎ、価格も軽より高いために国内売上高は前年を上回り、利益も微減にとどまった。
一方、不正を受け国の審査厳格化で今後出す新型車は投入の遅れが見込まれる。鈴木氏は「いまある車を売るのが営業の基本」と述べ、通期見通しは変更しなかった。(山本知弘)