リオデジャネイロ五輪の入場券を不正に転売したとして、リオの警察当局は17日、国際オリンピック委員会(IOC)理事のパトリック・ヒッキー容疑者(71)=アイルランド=を逮捕した。
リオ警察、IOC幹部拘束 五輪入場券の不正転売関与か
五輪開催中に現役のIOC幹部が逮捕されるのは極めて異例の事態だ。IOCや警察の発表によると、アイルランド・オリンピック委員会会長でもあるヒッキー容疑者は、英国のスポーツチケット販売会社「THG」とともに、アイルランド五輪委に割り当てられた約1千枚の入場券を、不当な高値で転売した疑いが持たれている。
ヒッキー容疑者は、逮捕された直後の17日朝、体調不良を訴え、リオ市内の病院に運ばれたという。地元テレビ・グロボは17日朝のニュース番組で、リオ五輪のメイン会場の五輪公園と同じ地区にあるホテルに、警察当局が踏み込む様子を放映。大きな五輪マークが掲げられた玄関に複数の警察官と銃を持った兵士らが集合し、ヒッキー容疑者のものとみられる五輪用の身分証明書やパスポートが押収される様子が映されていた。
アイルランド五輪委は17日、事態が解決するまで、ヒッキー容疑者がIOCの委員と理事、欧州オリンピック委員会会長など全役職を退任すると明らかにした。(原田亜紀夫、田村剛)