パブリックビューイングには、荒井広宙の父康行さん(前列左から2番目)も駆けつけた。荒井が3位でゴールすると、会場は大歓声に包まれた=長野県小布施町小布施
男子競歩50キロに出場した荒井広宙(28)の出身地、長野県小布施町のホールでは、約400人が深夜の中継を見守った。
荒井、接触のカナダ選手と抱き合う 銅確定「うれしい」
リオオリンピック
会場では、荒井の父の康行さん(67)がじっと画面を見つめていた。会場に来る前、昨秋63歳で亡くなった妻の繁美さんの墓に行き、「力を貸してくれ」と頼んできたという。荒井が3位でゴールした後、「最後のつらい場面で、妻が(荒井の)背中を押して3位にしてくれたんだと思う。よくやったと抱きしめてやりたい」と涙を流した。
会場は「荒井! 荒井!」のコールが響いた。市村良三町長は「町から初めて出た五輪選手が、この競技で初のメダル。町の誇りです」と喜んだ。
その後、国際陸連がいったんは荒井を失格としたが、日本側の上訴が認められ、銅メダルが確定した。(鶴信吾)