台北市内の居酒屋でオリオンビールを味わう地元客ら。台湾での販売が増えている=原篤司撮影
沖縄で、ビールといえばオリオンビール。国内でビール離れが続くなか、最近はアジアなどで販売を伸ばそうと奮闘中だ。5月で創立60年を迎える「沖縄の誇り」が、海外でも少しずつ支持を広げつつある。
旅行者や地元の人らでにぎわう台湾・台北市内の繁華街。一角にある居酒屋で夜、男女4人のグループが乾杯していた。手にしたジョッキには赤い「三ツ星」と「オリオンビール」の文字がみえる。
店の常連の男性(31)はオリオンのファンだ。「最初は沖縄のものとは知らなかった。苦みが少なく、飲みやすい」。台湾では地元メーカーに加え、欧米や日本のビールも飲まれているが、昨年の開業時からオリオンを売り物にしている店主(36)は「沖縄は近くてなじみやすい。台湾でもっと普及しそうだ」と言う。日本料理店も多いこのエリアには、オリオンを置く店が増えたという。
台北市中心部のコンビニにも、日本のビールではキリンやアサヒなどとともにオリオンが並ぶ。2015年から台湾のファミリーマートの定番商品となり、台湾への出荷量は前年より7割増。まだわずかだが、出荷を本格的に始めた1997年と比べれば約50倍だ。
飲食店への売り込みに加え、こ…