6回、井上尚弥(右)は、ペッチバンボーンを攻める=関田航撮影
(4日、WBOスーパーフライ級タイトル戦)
井上尚弥、KOで3度目の防衛 WBOスーパーフライ級
井上尚が10回、一気にたたみかけた。ダメージの蓄積した相手がぐらついたところを見逃さず、左右の連打で沈めた。3度目の防衛に成功しても、表情はさえない。地元ファンが陣取った客席に向かって深々と頭を下げた。「最後は意地。それまでは全然ダメ」。強さは見せたが、自らが描く理想とはほど遠かった。
ここまで16連勝中と勢いに乗る相手に、序盤から細かいジャブとボディーを見舞い、試合を優位に進めた。だが、約3週間前から抱えている疲労による腰の痛みが、ラウンドを重ねるごとに増す。「ストレートで腰がひねれなかった」。何度もパンチを浴びせながら、倒しきれない。さらに中盤からは、相手の拳にぐらつく場面もあったが、勝負どころをものにした。
5月の防衛戦で、試合中に1度…