年末で任期が切れる国連の潘基文(パンギムン)事務総長の後任選びで、安全保障理事会は26日、通算5回目の非公式予備投票を実施し、ポルトガル首相や国連難民高等弁務官を務めたグテーレス氏が5度連続で首位になった。安保理が予定する10月5日の投票では、本命候補に定まる可能性がある。
ロイター通信によると、グテーレス氏は今回、支持12票。不支持は前回に続き2票だった。2番手は支持8票の元セルビア外相イェレミッチ氏(不支持6)。初の女性総長誕生の期待もあるが、最も健闘したのは4位のアルゼンチン外相マルコーラ氏(支持7票、不支持7票)で、女性候補は苦戦が続いている。
予備投票は候補者への支持の度合いを測るもので7月以降で5回目。これまでは理事国15カ国が無記名で各候補について、「支持する」「支持しない」「意見なし」から一つを選ぶ形式で実施されてきた。
しかし、次回10月5日の投票では、安保理は常任理事国だけが異なる色の用紙を使う方式に替える。安保理の決定では常任理事国が拒否権を握るため、これまで連続5回トップのグテーレス氏も、不支持に常任理事国が1票でも含まれていると選出を阻まれる。そのため、次回のグテーレス氏の不支持票の内訳に注目が集まっている。東欧の候補を推しているとされるロシアがカギを握りそうだ。
候補者は当初12人だったが、3人が撤退している。(ニューヨーク=金成隆一)