封じ手を開封し、第4局2日目の対局が始まった。右は井山裕太名人、左は高尾紳路九段=5日午前9時4分、兵庫県宝塚市の宝塚ホテル
井山裕太名人(27)=棋聖、本因坊、王座、天元、碁聖、十段をあわせ七冠=に高尾紳路九段(39)が挑戦している第41期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第4局は5日、兵庫県宝塚市の宝塚ホテルで再開され、2日目に入った。
第4局タイムライン
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3連勝中の高尾挑戦者が一気に名人奪取を決めるかどうかの大一番。あとのない井山名人が大胆な「捨て石作戦」に出た。
午前9時から両対局者が前日の57手目までを並べ直し、立会人の坂口隆三九段が封じ手を開封した。挑戦者の封じ手は左辺白58。名人の誘いに乗って、黒を分断に行った。
名人は分断された左下の黒の一団を、逃げるのではなく、相手に取らせてほかで得を図る作戦を選んだ。白74までで、長い攻防が一段落した。
解説の村川大介八段は「封じ手の数手前から捨て石までの黒の打ち方は、井山名人にしか気づかない発想です。ここからヨセ勝負。細かそうな形勢です」と話した。挑戦者が90手目を考慮中に昼の休憩になった。(伊藤衆生)