日雇い労働者向けの雇用保険制度で、会計検査院が全国59の職業安定所の実態を調べたところ、2014年度に給付金を出した2173人のうち、約3割の646人は条件を満たしていないのに支給していた疑いがあることがわかった。職安が雇用状況を十分に確認しなかったことが原因で、支給額は計約4億7千万円にのぼる。この制度をめぐっては、計約9千万円の不正受給も判明している。
「あぶれ手当」不正受給 32職安で計9千万円
この保険は日雇労働求職者給付金(通称・あぶれ手当)。日雇い労働者の失業対策が目的で、仕事を得られなかった日に4100~7500円が支給される。
対象者は日々雇用されている人や、30日以内の期間を定めて雇用されている人。31日以上か、2カ月続けて月に18日以上同じ事業主に雇用されている人は、原則として資格を失う。
検査院は、12労働局59職安で、14年度に受給した2173人について調べた。このうち646人は、同一の事業主に継続して31日以上雇用されるなどしていて、資格があるとはいえない状況だった。職安が資格の有無について十分に確認していなかったという。
対象者が給付金を受け取るため…