今年7月の参院選で、選挙区間の「一票の格差」が最大3・08倍だったのは投票価値の平等を定めた憲法に違反するとして、弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟の判決が8日、名古屋高裁であった。孝橋宏裁判長は、今回の定数配分を「合憲」と判断し、請求を棄却した。原告側は即日上告した。
弁護士の一人は判決後の記者会見で、「高裁判決は『投票価値の不均衡はなお看過し得ない』と言いながら、『違憲状態』と認めなかった。ひと言で言えば評価に値しない」と語った。
二つの弁護士グループが全国14の高裁・支部で計16件の訴訟を起こし、この日の名古屋高裁で判決が出そろった。「違憲状態」が10件、「合憲」が6件となった。今後、最高裁が統一判断を示す見込み。
最高裁は最大格差が5・00倍だった2010年と、4・77倍だった13年の参院選を「違憲状態」と判断。13年参院選への判決では、「都道府県を単位として定数を設定する現行制度を速やかに見直すべきだ」として、都道府県単位の区割りの見直しを求めた。