海上自衛隊の次期多用途ヘリコプターに特定の機種が選定されるようにするため、意図的に選定基準を変更させたとして、防衛省が海自トップの武居智久海上幕僚長らを訓戒処分とする方針を固めたことが同省関係者への取材でわかった。
処分するのは、武居海幕長と、海上幕僚監部防衛部長だった渡辺剛次郎教育航空集団司令官。海自トップの幕僚長が処分されるのは異例だ。
同省関係者によると、多用途ヘリは救難や輸送に使うもので、機種選定では、三菱重工業の中型ヘリと川崎重工業の大型ヘリが候補に残っていた。価格面では中型ヘリが有利だったが、武居海幕長は、海自幹部の会議で大型ヘリを選定する方針を決めていたことを部下に強調。選定基準を変更させ、大型ヘリが選定されるよう誘導したとされる。業者からの働きかけや金銭の授受はなかったという。
昨年、内部通報があり、機種選定手続きを止めて、同省の防衛監察本部が特別防衛監察を行っていた。