




沖縄県読谷村(よみたんそん)の廃棄物処分場の敷地内に8日夕に不時着した米軍の攻撃ヘリコプターAH1が、9日午前7時20分ごろ、整備を終えて離陸した。米軍は、テールローターの不具合が原因、と沖縄防衛局に説明した。相次ぐ米軍機のトラブルに地元は反発を強めており、読谷村などは防衛局に抗議した。
米軍ヘリ、沖縄でまた不時着 ホテルから400m
現場は、海沿いのリゾートホテル「ホテル日航アリビラ」から約400メートル離れた廃棄物処分場内の草地。9日午前7時ごろから米軍関係者が点検を始め、午前7時20分ごろに離陸した。沖縄防衛局によると、約10分後に米軍普天間飛行場(宜野湾市)に着陸した。
AH1は普天間の所属機。8日午後4時45分ごろ処分場内に不時着した。乗員は県警に「飛行中に機内で警告灯が点灯し、天気も悪かったので予防着陸した」と説明した。
沖縄では6日にも普天間所属のヘリがうるま市の伊計(いけい)島に不時着するなどトラブルが多発している。
沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長は9日午前、石嶺伝実(でんじつ)・読谷村長、当山宏・嘉手納町長と村役場で面会し、米側からの情報を説明した。石嶺村長は「事故があまりにも頻発しすぎている。極めて深刻な状況だ。沖縄は米軍基地を過重に負担している。原因がわかるまで全機種の運用を停止してもらいたい」と訴えた。
翁長雄志(おながたけし)知事は朝、記者団に「米軍のだらしなさ。日本政府も当事者能力がないことに恥ずかしさを感じてもらいたい」と話した。
県は午後に国に抗議し、県内にある全米軍機の飛行中止と緊急点検をあらためて求める予定。(小山謙太郎、山下龍一)