韓国国防省は4日、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)委員長を含む中枢部を攻撃する「特殊任務旅団」(特殊部隊)を今年の早い時期に創設する方針を示した。大統領権限を代行する黄教安首相への年頭の業務報告で説明した。専門家の間では、戦略や特殊部隊の能力に疑問の声も出ている。
特殊部隊は、北朝鮮に探知されにくいヘリや航空機を使用。北朝鮮要人の暗殺や政府・軍の重要施設破壊などを目的にする。2019年に創設予定だったが、北朝鮮の核開発が急速に進んでおり、抑止力を高めるために前倒しした。
北朝鮮に対する特殊部隊を使った作戦は従来、米軍が担当。主に大量破壊兵器の発見や除去を目的にする一方、11年の米韓軍事演習から金正日(キムジョンイル)総書記を生け捕りにする訓練なども行っていた。
ただ、韓国軍には、無人機(ドローン)や衛星を使った目標を探知する能力がほとんどない。「北朝鮮を逆に刺激する」(軍事関係筋)との声も出ている。(ソウル=牧野愛博)