入団会見で、工藤監督(右)と握手するソフトバンクのデスパイネ
(18日、ソフトバンク10―3ロッテ)
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古巣のファンへの痛烈な恩返しだった。ロッテからソフトバンクに移籍したデスパイネの放った決勝3ランが千葉の夜空に舞い、左翼席上段に飛び込んだ。
五回、今宮の適時打で追いつき、内川が四球で出塁し2死一、二塁で迎えた場面。1、2打席目は走者を置いて凡退していただけに「ウッチー(内川)が歩かされ、気持ち的に燃えるものがあった」。元同僚の石川が投じた内角高めへの速球をフルスイング。2試合連続弾で試合を決めた。
打線に厚みを増し、長打力を上げるために期待されて入団。昨年まで3季在籍したロッテで通算54本塁打のパワーは折り紙つき。しかし、今季は開幕から不動の5番を任されながら不調が続いた。
試合前の時点で打率2割2分4厘、1本塁打、4打点。ロッテ時代から指導する立花打撃コーチは「こんなもんじゃない。どうしてもゴロが多かった。(打席で)軸足を残し、フライが上がるようになればいい」。試合前に決めている30球限定のティー打撃で緩い球を打って微修正を図り、15日のオリックス戦で移籍後初アーチ。復調のきっかけをつかむと、前日は志願して休日返上し、古巣の屋内練習場でマシン相手にバットを振り込んでいた。
チームの連敗を4で止め、本人は「この調子を継続したい。(ロッテのファンが)自分を応援している気持ちになった」。古巣への感慨も胸に、上昇気流をつかみつつある。(甲斐弘史)
○工藤監督(ソ) 「(決勝3ランを放ったデスパイネについて)よくあそこで打ってくれたと思う。良い感触をつかみつつあると聞いていたので、なんとかしてくれると思っていた。ここのところ先取点を取られることが多かった。打線が初回に点を取れると投手が安心して投げられる。(先発の千賀は)徐々に自分の感じをつかんで、中盤以降は安心して見ていられました」