3月末で閉鎖した奈良少年刑務所(法務省提供)
刑務所の建物を生かした「監獄ホテル」が全国で初めて誕生する。法務省が26日、老朽化のため3月末で閉鎖された奈良少年刑務所(奈良市)の改修と運営を、ホテル運営会社などの企業グループに委託した、と発表した。同グループは2020年度の開業を目指す。
同刑務所は1908(明治41年)に建てられた。赤れんが造りと看守所から放射状に延びる収容棟が特徴で、今年2月に国の重要文化財に指定された。
委託が決まったのはホテル運営会社「ソラーレホテルズアンドリゾーツ」(東京都港区)を代表とする企業グループ。建物に鉄筋を挿入するなどして、外観を損なわずに耐震補強をする。
旧収容棟は「文化財ホテル」(約150室)とし、5平方メートルの独房を3室分あわせて客室にする計画だ。併設する病棟も、より低価格で泊まれる宿泊施設(約60床)に改装。10万平方メートルを超える敷地内にはホテル(約80室)やレストラン、温浴施設などを新設するという。
また、日本の刑務所の歴史などを知ることができる「史料館」も2019年10月に開館させる予定。(小松隆次郎)