土砂災害防止法に基づく「特別警戒区域」の指定が遅れ、土砂災害が起きる危険性が高い場所で宅地開発などが進められている恐れがあるとして、総務省は26日、国土交通省に改善を勧告した。
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特別警戒区域は、都道府県が基礎調査をした上で危険性が高い場所を指定する。区域内では宅地開発が規制され、住宅は土砂災害に耐える構造や強度が必要になる。
総務省行政評価局は2015年11月末時点の17都道府県による指定状況を調査。その結果、基礎調査を終え、危険性が高いと判断したが、2年以上指定していない場所は9都道府県で1万3852カ所あった。そのうち5年以上未指定は6159カ所、10年以上未指定も1191カ所あった。遅れの主な原因は、開発規制や不動産価格への影響を懸念する自治体や住民の理解を得るのに時間がかかることだという。
総務省は国交省に対し、現地の実情に応じた対応を都道府県へ助言するよう求めた。(四倉幹木)