筑後川河口付近で、漁船が有明海に流れ出た流木や漂流ごみを回収していた=23日午前7時48分、福岡県柳川市沖、朝日新聞社ヘリから、長沢幹城撮影
九州北部豪雨の影響が海にも及んでいる。大量の流木や土砂が流れ込んだ有明海では、漁船の故障やアサリが一部で死滅するなどの被害が発生。有明海の福岡県沖では23日、漂流ごみの大規模な回収作業が行われた。回収にはまだ時間がかかる見通しで、漁業者は影響がいつまで残るか神経をとがらせている。
23日朝、福岡沖の有明海であった一斉回収には、福岡有明海漁連(福岡県柳川市)の漁船170隻、国や漁連の清掃船4隻が出動し、漁業者510人らが流木やごみを集めた。
県の漁業調査船から見ると、海面に茶色の帯が延々と延びていた。川岸から流れ出た大量のアシだ。その間に木の株や長さ数メートルの流木が点々と浮かぶ。大きな流木は漁船で引っ張り、沖合で待機する清掃船に積み替える。小さな木くずやごみは、網や素手で漁船に引き上げた。
約3時間で集まった漂流ごみは概算で208立方メートル。このほか沿岸にも大量の流木やごみが漂着しており、その量は調査中だ。
作業に参加した同県大牟田市のノリ漁師、松藤文豪さん(60)は「有明海の漂流ごみは外洋には出ず、必ず沿岸のどこかに流れ着く。本当にやっかいだ」と話す。9月からは、ノリの養殖用網を取り付ける支柱の打ち込み作業が始まる。「5年前の豪雨の後は、網に絡むごみの除去に難儀した。沈んだ木は支柱の邪魔にもなる。ごみがある限り不安は尽きない」
漁連によると、柳川市沖のアサ…