アルベルト・フジモリ元大統領(2016年12月、本人のツイッター・アカウントから)
民間人殺害事件で禁錮25年の判決を受けて収監されている南米ペルーのアルベルト・フジモリ元大統領(79)について、同国のクチンスキー大統領は24日、人道的配慮から恩赦を与えることを決めた。健康状態が悪化しており、これ以上の収監は生命に深刻な影響を与えかねないと判断した。自由の身となるのは、亡命先の日本を離れ、チリで拘束された2005年11月以来12年ぶり。フジモリ氏を巡っては今も強い拒否感を抱く国民も多く、恩赦決定は国内に波紋を広げそうだ。
フジモリ氏は1990年から10年にわたって大統領を務めたが、軍による民間人殺害や横領といった現職時代の罪で禁錮25年の刑が確定。現在は首都リマ郊外の警察施設で収監されている。近年は舌の悪性腫瘍(しゅよう)の切除などで何度も手術を受けたほか、高血圧やうつ症状などで体調を崩し入退院を繰り返してきた。
フジモリ氏は今月11日、体調の悪化を理由に政府に恩赦を請求し、健康上の観点から釈放が望ましいとする医師団の診断書も添付していた。フジモリ氏は23日夜、不整脈の症状で病院に緊急搬送されていた。
ペルー大統領府の声明は恩赦の…