昨年2月の冬季アジア大会で李相花(右)と握手する小平奈緒=2017年2月
18日のスピードスケート女子500メートルの焦点は一つ。2016年10月からワールドカップ(W杯)など国内外のレースで24連勝中の世界女王、小平奈緒(相沢病院)と、地元で五輪3連覇を狙う李相花(韓)のどちらが頂点に立つか。
小平の強さ、自分の体を熟知しているから 清水宏保
小平、磨き抜いた爆発力 最初の100m、2歩減った
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小平は1500メートルに続き2レース目となった14日の1000メートルで銀メダルを獲得した。世界記録保持者として頂点に立てなかった悔しさをのぞかせたが、「今回のことは忘れて、得意な500メートルに集中したい。心の持ちようは生かせそうな気がする」と前を向く。
低地リンクでは最高記録での勝負が予想されている。実際に小平は韓国入りしてから3日後の7日、記録会に出場し、37秒05。非公式ではあるが、低地の自己ベストを更新した。「すごいタイムじゃない。修正点は多い」と話すだけに、本番では36秒台のタイムが期待できそうだ。勝てばスピードスケート日本女子初の金メダリストとなる。
一方、高速レースになれば、韓国で「氷速女帝」の異名をとる李も侮れない。今季W杯では小平と最終組で6度同走し、全敗。だが、李は、世界記録が数多く出ている標高1100メートルのカナダのリンクを拠点とし、高速でカーブを滑り切る技術に磨きがかかっている。3日のドイツでの競技会で、37秒18の好記録をマークした。「メダルの色にこだわらずベストを尽くす」
W杯で4度表彰台に上がった郷亜里砂(イヨテツク)にもメダルの期待がかかる。1000メートルに出場し、課題のカーブの滑りに手応えをつかんだ。「500につながるレースができた」と自信を口にする。日本勢はほかに神谷衣理那(高堂建設)が出場する。(榊原一生)