封を開けて何度か使うものの、なかなか使い切れずに残ってしまう調味料はありませんか。そんな調味料をうまく活用するには、どうしたらよいでしょうか。
民間の調査会社「ドゥ・ハウス」は2016年、インターネットで首都圏に住む30~50代の女性に「自宅の調味料」について尋ね、約1千人が回答した。
「使い切れずに残ってしまいがちな調味料」(複数回答)で最も多かったのは、ラー油(16・7%)。焼き肉のたれ(13・7%)、オイスターソース(13・1%)が続いた。
残ってしまいがちな理由(選択式、最もあてはまるものを一つ回答)は、ラー油、焼き肉のたれ、オイスターソースのいずれも「使えるメニューが少ないから」が圧倒的に多かった。「割安な大サイズを購入してしまうため」「小サイズを売っていないから」との回答も目立った。
いったん封を開けた調味料は、風味が落ちないうちに使い切りたい。そこで、医学博士・管理栄養士で、スポーツ選手の栄養指導や子どもたちの食育に取り組む本多京子さんに、ラー油と焼き肉のたれを使い、栄養面にも配慮したメニューを教わった。
1品目は、最後にラー油で仕上げる「モヤシと豚バラのサンラータン」。短時間ででき、ラー油の辛みとさっぱりとした酢の風味で、食欲が落ちる時期にぴったりだ。
もう一つは、焼き肉のたれを使った「元気が出る麻婆豆腐」。焼き肉のたれは、原材料に野菜や果物が使われているものが多い。「1本でこくが出るので、いろいろな調味料を準備する手間が省けます」と本多さん。子どもや辛いものが苦手な人向けには、トウバンジャンを入れずに作る。
このほか、焼き肉のたれを中華風の鍋物や、カレーの隠し味に▽オイスターソースと焼き肉のたれを少しずつあわせて、炒め物に▽オイスターソース、ケチャップ、マヨネーズをあわせて、蒸し鶏や、ゆで野菜のディップに――といった活用法も。
本多さんは、早く使った方がいい調味料を冷蔵庫の手前に置くようにしている。未開封のストックも、賞味期限が早い順に分けて保管しておくと、買いすぎたり、使いそびれたりするのを避けられる。
「いろいろな使い方を知りたい」との声に応え、メーカーもレシピ作りに力を入れる。エバラ食品は、焼き肉のたれを使ったレシピを700以上開発。ウェブサイト(
https://www.ebarafoods.com/recipe/
)で紹介している。エスビー食品のサイト(
http://www.sbfoods.co.jp/recipe/
)には、ラー油を使う約180のレシピが掲載されている。(栗田優美)
レシピを紹介
記事後半で「麻婆豆腐」と「サンラータン」の詳しいレシピを紹介します。
■「元気が出る麻婆…