初の夏の甲子園をかけて、30日の北大阪大会決勝で大阪桐蔭(大阪府大東市)と戦う大阪学院大(同府吹田市)。初戦で劇的な逆転勝ちをするなど勢いよく激戦区を勝ち上がってきた。
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決勝を控えた29日午前。大阪学院大の選手たちは、学校のグラウンドで打撃練習に汗を流した。チームのモットーは「元気で明るく」。主将の岩波諒磨君(3年)は「決勝でも僕らはいつも通り。緊張はないです」と自然体だ。
大阪桐蔭は岐阜県飛驒市の中学時代から最速145キロを投げ、「スーパー中学生」として知られた根尾昂(あきら)君(同)らがいる春の選抜大会優勝校。一方、大阪学院大は、登録選手20人全員が府内出身で、椎江(しいえ)博監督(56)は「中学時代から知られた選手はいない。『雑草軍団』です」。
大阪学院大は、1959年創立の私立高校。スポーツ科学コースもある。同じ関西簿記研究所(40年創設)の流れをくむ大学も近くにある。OBには元広島カープの江夏豊さん(70)ら。96年の選抜大会で8強入りしたが、夏の大阪大会は、江夏さんが3年生だった66年や2000年などの4強が最高。
今大会では、初戦で4点を追う九回表に岩波君の満塁本塁打などで一挙6点を奪って大逆転。普段は堅守からリズムをつくるチームだが、勢いづいた打線が6試合で6本塁打48得点と大当たりした。2回戦でサイクル安打を記録した捕手の谷本一稀君(同)は「初戦で緊張がとれて、無心で打席に入れた」。決勝までとは思っていなかったというが、「ここで大阪桐蔭を倒せたら格好いいなと思う」とにやり。
椎江監督は「実力は相手が上。うちは勢いでぶつかるしかない」と言いながら、「スターぞろいの相手はきれいな『バラの花』。放っておいても生えてくる雑草の強さを見せつけて、世間をあっと言わせたい」。(遠藤隆史)