宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2日、探査機「はやぶさ2」が調べている小惑星「リュウグウ」で、地表の岩石に水分が含まれていないことが分かったと発表した。リュウグウのような炭素の多い「C型小惑星」は、多くが岩石に水分を含むことが知られ、生命の材料がそろっていると期待されていた。リュウグウにもともと水分がなかったのか、太陽光などで蒸発したのかは不明という。
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チームの北里宏平・会津大准教授によると、はやぶさ2がリュウグウに到着した6月下旬以降、表面の約5万4千カ所を調べたが、水分を含む岩石があることを示すデータは得られなかった。リュウグウは地球からの距離が遠く、これまでの地上観測でも十分なデータは得られていなかった。
はやぶさ2は今月中に着陸地点を決め、秋にも初めて着陸する予定。北里さんは「来春、リュウグウの表面に人工クレーターを作るときに水分が見つかる可能性もある」と話す。(浜田祥太郎)