連覇を果たした選抜以降、激しい競争で戦力を上積みした大阪桐蔭（北大阪）が優勝争いの中心になる。

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夏の甲子園、歴代最高の試合は？ 投票ベストゲーム

投手はともに１５０キロ近い速球を投げる柿木、根尾の２本柱が安定。打線では４番藤原が打率６割超と、全国屈指の左打者は大きく成長した。下位にも石川、山田ら力のある打者が並ぶ打線は破壊力と粘り強さを兼ね備える。

初戦の相手は一昨年の全国覇者、作新学院（栃木）。積極的な打撃と走塁で相手を一気にのみ込む力があり、桐蔭にとってはいきなりの大きな関門となる。

横浜（南神奈川）は個の能力で桐蔭に引けをとらない。ただ、悪い流れを断てずに失点を重ねてしまうのが秋からの課題だった。そこを克服して勢いに乗れるか。同じゾーンには夏連覇を狙う花咲徳栄（北埼玉）がいる。エースで４番の野村を軸に、勝ち方を熟知したチームだ。

選抜準優勝の智弁和歌山は昨春の近畿大会から桐蔭に公式戦で５連敗中だが、桐蔭以外には負けていない。強力打線が「打倒・大阪桐蔭」を掲げ、この夏も突き進めるか。

投手層の厚い浦和学院（南埼玉）も力がある。昨夏８強の仙台育英（宮城）との初戦は屈指の好カード。同じゾーンでは昨夏準優勝の広陵（広島）も高田桐、吉岡の１、２番を中心に再び躍進を狙う。

大会屈指の右腕西を擁する創志学園（岡山）や選抜８強の花巻東（岩手）、春の関東大会準優勝の木更津総合（東千葉）など実力校がそろうゾーンが最激戦区。ここを抜け出すのはどこかも見どころだ。

龍谷大平安（京都）は春夏通算１００勝目に王手をかける。投打に充実し、記念の１勝に向けて士気も高い。ＯＢの松井秀喜さんが始球式をする開幕戦に登場する星稜（石川）も頂点を狙う力を持つ。

最速１５０キロの金足農（秋田）・吉田の投球、北福岡大会で６本塁打を放った折尾愛真の野元の打撃、２年前まで１０年連続で三重大会初戦敗退から甲子園までたどり着いた白山の戦いも楽しみにしたい。（山口史朗）