(11日、龍谷大平安3―2鳥取城北)
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ぬぐってもぬぐっても、涙があふれてくる。龍谷大平安にとって春夏通算100勝目の校歌を聞きながら、原田監督は「100回で100勝。本当にうれしかった。よく決めてくれた」。にじんだ視界の先に、たくましくなった選手たちの姿があった。
2点差を八回に追いつかれる苦しい展開。サヨナラ劇は九回2死から始まった。四球で出塁した1番水谷は「もっと相手にプレッシャーをかけたい」と覚悟を決めた。安井の2球目に二盗に成功すると、さらに5球目に三塁へ走った。「100%行けると思った」とノーサインで好機を広げた2年生の勇気に、3年生の安井が燃えた。
「最初は後ろにつなげばいいと思っていたけど、後輩の水谷が気持ちを見せてくれた。自分で決める」
6球目。内角直球に詰まったが、振り切った。記念の1勝を決めるサヨナラ打が左前で弾んだ。
「人任せにするのはやめよう」。1月6日の練習初め。約2時間のミーティングで選手たちは誓った。「100回大会で100勝」するために、リーダー不在の集団から一人ひとりが自立したチームに変わる。互いに声を掛け合い、厳しく練習した成果が、監督も「ドキドキした」という接戦の中で生きていた。(山口史朗)
北村智が好救援
龍谷大平安の左腕・北村智が好救援で白星に貢献した。同点にされた直後の八回1死一、三塁のピンチでマウンドへ。「どんどん押していこうと思った」と強気のスライダーを決め球に後続を空振り三振、遊ゴロに仕留めると、九回も無失点で切り抜けた。「次はもっと良いところを見せたい」と満足はしていない。
○小寺(龍) 八回途中、2失点で降板。「勝ててホッとしています。せっかくいい投球ができていたのに、終盤に右足がつってしまった」