(8日、高校野球京都大会 京都両洋11―10京都廣学館)
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十二回裏1死一、二塁。京都両洋の4番打者、菊地圭佑君の打球は高く舞い上がった。京都廣学館の中堅手の重乃(しげの)駿介主将が必死で伸ばしたグラブを越えていった。3時間45分の激闘が終わった。
遊撃手の公庄(ぐじょう)勇斗主将は、菊地君の前の打席で敬遠された。「とにかく打ってくれ」。一塁上で祈るような気持ちだった。
菊地君は「どちらが勝ってもおかしくない試合だった。最後は気持ちで勝てたと思う」。壺内雄大監督は「点差をはね返したのは自信になったはず。終盤から本領が発揮できた試合だった」と振り返った。
京都廣学館の2年生投手の谷口虹介(こうすけ)君は、八回途中から継投。九回はマウンドを譲り、再び十回途中から登板していた。十回の1死満塁のピンチをしのぎ、十一回は2奪三振を含む三者凡退に抑えていた。サヨナラ安打を打たれ、「調子は悪くなかったけれど、合わせられてしまった。来年勝てるようがんばっていきたい」と声を絞り出した。
重乃君は「テンションあげていけ」と仲間を鼓舞し続けた。「最後まで集中力は切れなかった。ここまでやり切ったので、みんな悔いはないと思う」(紙谷あかり、小山琢)