第100回全国高校野球選手権記念大会で、秋田県勢としては第1回大会(1915年)以来、103年ぶりの決勝進出を果たした金足農。21日午後2時開始の決勝を前に、東京都内の秋田ゆかりの場所も盛り上がりを見せている。
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東京・有楽町のアンテナショップ「秋田ふるさと館」では、決勝進出を伝える新聞の号外が店内のあちこちにはられ、店を訪れた人たちがスマートフォンで写真を撮っていた。
店内にはテレビがないため、準決勝に続き、決勝も有線放送で試合の実況を伝えるつもりだ。秋田県横手市出身で店長の舘岡きみ子さんは「販売をしなければいけないけど、試合が気になりますね。何だか今から緊張しています」と話した。
店頭に置かれた号外を手に取る人も。休みで東京に観光に来ていた福島市の情野(せいの)吉幸さん(46)は「夏の甲子園ではまだ東北勢が優勝したことがない。大阪桐蔭は強いけれど、東北代表としてぜひ頑張ってほしい」。試合は電器店のテレビで見守るつもりだ。
秋田県東京事務所は決勝進出を決めた20日、急きょ、東京・銀座のスポーツバーに30席分の予約を入れた。偶然、東京の秋田県人会も同じ場所で予約しており、店内は県出身者でほぼ貸し切りの状態という。
県東京事務所あきた売込み課の菊地拓(ひろむ)さん(52)は「103年ぶりということで、我々には計り知れない先輩方の思いがこの決勝戦につながっていると感じる」としみじみ話した。「選手のすがすがしさが我々の胸を打っている。野球好きの秋田人はたくさんいるが、秋田代表が決勝に進むようなことが本当にあるんだ、という気持ち。未知の領域です」
歴史に残る快挙を祝おうと、東京・品川のアンテナショップ「美彩館」では試合終了時、勝敗にかかわらず、秋田の地酒を来店者に振る舞う予定だ。銀座の秋田料理店「AKITA DINING なまはげ銀座店」は金足農が優勝すれば、21日からの3日間、ドリンク全品を半額で提供する予定という。