最速157キロで「大谷2世」とも言われる大船渡(岩手)の2年生右腕、佐々木朗希(ろうき)が23日、秋季岩手県大会準決勝で盛岡大付戦に登板した。最速154キロを計測し、10三振を奪ったものの、9回7失点で5―7で敗れた。大船渡は24日、来春の選抜大会出場の重要な選考材料となる東北大会進出をかけ、3位決定戦に臨む。
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佐々木は最後の打者で空振り三振に終わると、涙を流した。「仲間ががんばって点を取ってくれたのに、自分の力不足。空振りが少なくてバットに当たられた」。日頃から160キロに設定した打撃マシンで練習している盛岡大付に力強く振り抜かれ、一回に四球と長短打で2失点。2点リードの四回には自身のバント処理の悪送球からピンチを作り、同点適時打を浴びた。七回は捕逸、暴投が絡んで2点を勝ち越された。
敗戦にも、国保陽平監督は「だいぶ投げられるようになった。昨秋、今春までは1試合投げたらふらふらになっていた」と成長を認める。佐々木は身長189センチ、体重81キロと線が細い。指導方針としては「試合で投げないと打者との駆け引きを覚えられないが、ケガにつながらないように専門医の先生から指導を受けている」という。
佐々木はフォークも投げられるが肩、ひじへの負担を考えて自らの判断で投げていない。「来年の夏までに投げられるようになれば良いかなと」と佐々木。大きな注目を浴びながらも、しっかりと野球選手として先を見据えている。(坂名信行)