驚異的な後半のペースアップだった。風の影響もあってペースの上げ下げがあった前半を終えてから、大迫傑は25~30キロを14分28秒でカバーしたのをはじめ、その後の5キロごとを14分31秒、14分43秒と、「こんな日本選手みたことない」と、レースを見守った坂口泰・五輪強化コーチが驚くスプリットを刻んだ。
大迫、レース前に語った日本新 貫いた「自分との対話」
アフリカ勢や、五輪のトラックレースで四つの金メダルを獲得したファラー(英)との優勝争い。その先に、日本選手初の2時間5分台という輝きがあった。「非常にうれしい。気象条件が結構過酷で(記録が)出るか分からなかったが、残り1マイル(約1・6キロ)でいけると思った」
42・195キロを滑らかに走り抜けるマネジメントにたけている。無理に前半からスピードを上げることはないし、レースが動いた時にも前の走者につくか、つかないか、残りのエネルギーを量って瞬時に判断できる。「自分と対話し、100%の力を出し切る」。これが哲学だ。
レース前大迫は、同学年の設楽…