東京都江東区の豊洲市場で13日、開場後初めて、場内の飲食店や物販店が一般の利用者に開放された。築地市場(中央区)から移転してきた店などを目当てに、新鮮な魚介類を味わいにきた人や、新しい市場を見学にきた人たちでさっそくにぎわった。
豊洲では、築地で「1号店」を構えていた牛丼チェーン吉野家やすし屋のほか、たまご焼きや乾物の店など魚河岸で親しまれてきた店を中心に、約100店舗が営業する。13日はどの店もすぐにいっぱいになり、通路まで人であふれた。
築地市場と同様に、海外からの観光客も目立った。香港から来たというチン・アイエイさん(28)は「豊洲市場はビルのような建物で、がやがやしていた築地とは違うけど、市場の中で食べるおすしは鮮度が違う。何時間並んでも食べたい」と笑顔で話した。
飲食店の一部は豊洲市場が開場した11日から店を開いていたが、利用できるのは業者だけだった。休市日以外に営業し、誰でも利用できる。
売り場をガラス越しにみられる見学者通路も13日から公開された。市場で使われる小型の運搬車「ターレット」(ターレ)も通路上に展示され、親子連れらが写真を撮りながら楽しんでいた。近くに住む鈴木真希子さん(43)は家族3人で訪れ、「テレビのニュースでみたターレに興味をひかれてきました。豊洲はとにかくきれいですね」と話した。
休市日以外の午前5時~午後5時に、自由に出入りできる。マグロ卸売場のセリの見学デッキの利用は来年1月15日から。(西村奈緒美)