10日に閉場した旧築地市場(東京都中央区)で31日、正門前の看板が撤去された。市場は豊洲(江東区)に移転し、跡地は2年後の東京五輪・パラリンピックで輸送拠点として使うため、解体工事が進んでいる。
午前9時半、「築地市場正門」と書かれた高さ4・5メートルの縦型の看板が、重機でゆっくりと倒された。19年前に設置され、魚介、青果を積んだトラックや買い出し人らを迎え入れてきた。偶然通りかかった会社員の小林暢(とおる)さん(35)は「歴史的な瞬間に立ち会えて、感慨深い」と話した。
1935年に開場した築地市場は老朽化のため移転し、11日に豊洲市場が開場。築地市場跡地はフェンスで囲われ、重機で建物を解体する音が響いていた。