出来がひど過ぎてかえって目が離せない“バッドアート”を集めた「バッドアート美術館展」が２２日、東京都文京区の東京ドームシティ内の「Ｇａｌｌｅｒｙ ＡａＭｏ」で始まった。米・ボストンにあるバッドアート美術館のコレクションを日本で初めて紹介する試みで、１１０点を展示している。

２１日の内覧会に登場した同館キュレーターのマイケル・フランクさんによると、バッドアートとは「技術のない素人の絵そのものというわけではなく、誠実な思いで作ったのに、制作過程で何かがおかしくなったか、元々のコンセプトがおかしいために面白い結果になったもの」らしい。

１９９４年、「終身暫定臨時館長」のルイーズ・ライリー・サッコさんのきょうだいがゴミとして捨てられていた、花畑に座る女性の絵にひかれたことで、コレクションが始まった。誰が描いたか分からないものもある一方で、プロのアーティストが描いたのに、奇妙になってしまった作品もあるという。多くが、ガレージセールやゴミ捨て場で見つけたり、寄贈を受けたりした作品だ。

展示を見れば、「肖像画ならぬ『笑像画』」の章には、女装した男性にも見える「マナリザ」が掛かり、「ありそうにない風景画・静物画」の章には男女が宇宙服のような姿で水辺にたたずむ「沼ピクニック」がある。「バッドアート動物園」の章には、ギリシャ神話の半人半獣とオートバイが競う「ケンタウロスとバイカー」が登場する、といった具合だ。どの作品も、会場での撮影可能となっている。

塗りたくったような作品や、キ…