「野球のまち」の球児たちが、甲子園への切符をつかんだ。第91回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)の21世紀枠で出場が決まった富岡西(徳島)は春夏通じて初の全国大会出場。白球で町おこしに取り組む地元は歓喜に包まれた。
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野球部員40人は午後3時20分過ぎ、徳島県阿南市にある同校グラウンドで吉田光昭校長から出場決定の知らせを受けた。「努力で夢を勝ち取ったことを誇りに思う」とたたえられると、「ありがとうございました」と声を張り上げた。
坂本賢哉主将(2年)は「劣勢でも諦めず粘り強く戦えるのがチームの強み。目標はベスト4」と力を込めた。
県南部にある進学校で、創部は1900(明治33)年。昨秋の四国大会で徳島勢として5年ぶりに4強入りした。四国地区の21世紀枠候補校となるのは3回目で「三度目の正直」となった。エースの浮橋幸太投手(2年)は「先輩から託された熱い気持ちも背負ってチームを引っ張りたい」。
野球のまちを掲げた町おこしを進める阿南市のサポートを受け、力をつけてきた。北信越地区から選抜大会に出場するチームの合宿を市が誘致したことで、全国レベルの強豪校と練習試合が可能に。また、2015年に完成した市営の屋内練習施設を梅雨時には優先的に使えるようにもなっている。
甲子園出場が決まり、市役所駐車場にはさっそく祝福の懸垂幕が掛けられた。同校の卒業生でもある岩浅嘉仁市長は「歴史的快挙だ。本当によくやった。ありがとう」とコメントした。(佐藤常敬、佐藤祐生)