東証1部上場の不動産会社TATERU(タテル、東京)が西京銀行(山口県周南市)などのアパート投資向け融資資料を改ざんした問題で、国土交通省は28日、宅地建物取引業法に基づく業務停止命令を出した。7月12日からの7日間、広告や顧客対応、新規の契約業務など宅地建物取引にかかわる全業務が禁じられる。
不動産業者による銀行融資での書類改ざんが昨年に相次ぎ発覚して以降、国交省が業務停止命令を出したのは初めて。
タテルは国交省の聴聞で「被害者は存在しない。業務停止処分は重すぎる」などと主張していたが、この日は「このたびの処分を真摯(しんし)に受け止め、引き続き信頼回復に努める」とのコメントを発表した。
国交省によると、タテルは2015~18年の宅地売却336件で、預金残高などを記した顧客の融資資料を改ざん。営業部長ら31人が金融機関から不正に融資を引き出させた。国交省はこれらが業務停止命令の理由となる「宅建業に関し不正または著しく不当な行為」に当たると判断した。